

シンセティック・ポジションの狙い
「シンセティック・ポジション」には、2つの種類があります。
一つは「ブル・シンセティック」で、先物の買いポジションを類似しています。 もう一つは「ベア・シンセティック」で、先物の売りポジションと類似しています。
「ブル・シンセティック」は「コール買いとプット売り」の組合せで、「ベア・シンセティック」は「プット買いとコール売り」の組合せです。
権利行使価格の選択によっては、損益曲線が先物とほとんど変わらないポジションになりますが、先物とほとんど同じポジションをとるのであれば、このような面倒なポジションをとることなく、先物を売買すべきです。
このポジションの最大のメリットは、相場の方向性をとりながら、単純な「オプション買い戦略」や先物のポジションよりも、リスクの小さなポジションをとれることです。このポイントは権利行使価格の選択です。
例としまして、2001年5月2日の時点で、日経225は14412円でした。また、6月限オプションのプレミアムは、下図の通りだったとします。

シンセティック・ポジションを組むタイミング
ブル・シンセティック
目先の相場が上昇すると思うなら、ブル・シンセティック(「コール買いとプット売り」の組合せ)を組みますが、問題は権利行使価格の選択です。
「14500-コール」の買いと「14000-プット」の売りが、先物の買いポジションに最も近い組合せとなりますが、これはリスクも非常に大きい(相場が思惑と反対方向に動いたときの損失が大きすぎる)ので、このようなシンセティック・ポジションの組み方はおすすめしません。
権利行使価格の選び方として望ましいのは、相場が予想と反対の方向に動いてもリスクが大きくないもの、あるいは利益にさえなる可能性を含んでいる組合せです。
したがって、「コール買い」に支払うプレミムと、「プット売り」によって受け取るプレミアムの差がクレジットになる選び方が好ましいといえます。
少し慎重すぎると思うかもしれませんが、前述の狙いの図のようなプレミアムなら、「15500-コール」の買いと「13500-プット」の売りです。これによって、ネットの受取りプレミアムは90円になります。
このポジションを整理すると、下図のようになります。

このポジションでは、相場が上昇すれば当然、利益を得ることができますが、仮に相場が下がっても、6月の満期日において、日経225が13500円を下回らなければ、9万円(手数料を除く)の利益を得ることができます。
また、日経225が予想通り上昇すれば、コールのプレミアムが減少するので、満期日までポジションを保有することなく、いつまでも手仕舞って利益を確定してまいません。
尚、損切りについては、日経225がプットの権利行使価格を下回ると、プットがイン・ザ・マネーになり、大きな損失につながるので、その前に損切りすることをすすめます。
ベア・シンセティック
目先の相場が下落すると予想している場合は、「ベア・シンセティック」を組みます。ベア・シンセティックは、先物の売りポジションを基本的に同じで、相場が下落したときに利益を生むポジションです。
同限月同枚数の「プット買いとコール売り」の組合せです。
たとえば、日経225の水準が11200円で、今後、日経225が下がると予想しているとします。ベア・シンセティックを仕掛けるなら下図のようなポジションを組むでしょう。

この場合、プットの価格が高かったので、ネット(差引き)で20円の支払い(デビット)ということになります。
場合によっては、コールの価格のほうが、プットより高いケースもあります。その時は、ネットでプレミアムを受け取る(クレジット)ことになります。
シンセティック・ポジションを組むときの留意点
このポジションを組むときのポイントとしまして
1.将来の日経225変動予想のもとに、「ブル・シンセティック」か「ベア・シンセティック」かを決める
2.プレミアムが、できればクレジットになるように、また、相場の下方または上方リスクを考慮して権利行使価格を選択する
3.利食い、損切りポイントをあらかじめ決めておく
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