

レシオ・スプレッドの狙い
オプションの組合せの中で、比較的、成功する確率が高い戦略が「レシオ・スプレッド」です。”成功する確率が高い”というより"失敗する確率が低い”という消極的表現のほうが合っているかもしれません。
失敗するトレーダーが圧倒的に多い相場の世界では、”失敗する確率が低い”戦略は、それだけで優位性があります。
このスプレッドは、コール(またはプット)のアウト・オブ・ザ・マネーを1枚買うのと同じ時に、同限月のアウト・オブ・ザ・マネーを2枚またはそれ以上売る連略です。 買いと売りの比率を1:2(またはそれ以上)にし、トータル(ネット)でプレミアムの受取り(クレジット)にするのがポイントです。

上記の表が、日経225オプションにあてはめた時のレシオ・スプレッドです。
買い1枚に対して売りが2枚で、支払いプレミアムが280円、受取りプレミムは200円 x 2枚=400円、差引き120円の受取りになります。
損失が限定されないポジション

このポジションは日経225に対して強気のときに仕掛けるものですが、思惑(日経225が上昇するだろう予想)に反して相場が下落しても、120円のクレジット分の利益を得ることができます。
しかし、当初の想像以上に相場が強く、6月限の満期までに、日経225が15000円を大きく上回る状況においては、大きな損失を出してしまうことになります。
つまり、このポジションは損失が限定されていないのです。
このポジションにおいて最大の利益が出るケースは、6月限の満期時点で、日経225が15000円である場合です。
相場が急上昇または急落した場合、その動きに飛び乗ろうとする投資家や、あわてて原資産のポジションをヘッジしようとする投資家がオプション市場に集まり、アウト・オブ・ザ・マネーのオプションに買いが集中します。
その結果、アウト・オブ・ザ・マネーのプレミアムが割高になります。 日経225が急上昇した場合、「14500-コール」も買われますが、さらにプレミアムの低い「15000-コール」の方が割高になるため、このレシオ・スプレッドが有利になる、というわけです。
狙いの図では、6月限の満期時点で日経225が14500円と15000円の間にあることを期待しているわけですが、実際には、思惑と反対に、満期日までのいずれかの時点で急上昇したとしても、その後が調整の下落となり、14500円以下で終わる確率が高いといえます。 しかし、レシオ・スプレッドは、それを考慮してクレジットで(ネットで受取りになるように)仕掛けているので、そのような場合でも利益になるのです。
レシオ・スプレッドを仕掛けるタイミング
このスプレッドを仕掛けるタイミングは、コールであれば急上昇した後、プットであれば、急落した後です。
ただし、このスプレッドは、プットよりもコールで仕掛けたほうが失敗する確率は低いといえます。
その理由は、相場は下方に対してより脆弱で、急落した後、さらに大きく相場が下落することがあるからです。
一方、上昇に対しては、とくに日経225のような株価指数の場合、短期間で急上昇した後やさらなる大きな上昇よりも、調整の下げや、もみ合いのい動きに転じることが多いからです。 このような急上昇、急落の”急”は視覚的に捉えたほうがかかりやすいので、レシオ・スプレッドを仕掛けるタイミングは日経225のチャートで判断することをおすすめします。

上図のチャートを見てください。
2001年3月の半ばに11500円近くまで下がった日経225は、その後わずか1週間程度で2000円以上反騰しました。このうように短期間(この場合は1週間)で、大きく(この場合は2000円)上昇した後は、レシオ・スプレッドを仕掛ける一つのポイントになります。
レシオ・スプレッドを仕掛けるタイミング
一つは、日経225オプションはアウト・オブ・ザ・マネーの流動性が低いので、実際には、売りと買いを同時に仕掛けるのがむずかしい、ということです。したがって、売りと買いを別々に指値で仕掛けます。
もう一つは、このポジションはリスク限定ではないので、相場がさらに大きく変動した場合の損切り時点を決めておくことです。
前述のレシオ・スプレッドの例の図では、日経225が期日前に15000円に近づいてきたら損切りを実行することです。
15000円に近づいてきたら、当然最大利益に近づくことになりますが、相場が15000円を超えて上伸した場合、期待利益は最大(ピーク)を超えて小さくなり、相場のいさらなる上伸によって、利益が損失に変わる可能性があります。この可能性を避けるために、必ず損切りを実行するのです。
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